不知火海・球磨川流域圏学会現地見学会

10月16日,不知火海・球磨川流域圏学会の現場見学会に参加してきました.
http://www.shiranuikuma.org/node


見学地は球泉洞近くの大面積皆伐跡地見学,水と緑の森づくり税による造林地見学,球磨村森林組合による先進的人工林施業地.

 

******************************************************************************************************************
手入れが行き届いた山は,腐葉土等が堆積し,それが雨が降ったときに雨を吸収し,
地下に浸透させ,余分をゆっくり下のほうに流す役割を果たすが,しかし,そうでない場所,
例えば皆伐されて地表が露になっている部分,またそれに近い部分は腐葉土がなく,
雨水を吸収・浸透の役割を持たないので急激に流れ出てしまう.

*****************************************************************************************************************


大学で度々山の皆伐の問題の内容の話がありました.
その中で印象に残っているのが『山が川になる』という,上記の話でした.

 

頭ではなんとなく理解はできるものの,それはイメージでしかない.

しかし,9月に研究室の合宿で水俣に行き,山に登ったのですが,下山直前に
雨が降り出し,講義の『山が川になる』という現象を実際に体験しました.

 

地表が露になっている場所は足を滑らせやすく,9月に山に行ったときは怖かったのですが,
今回の見学会で森林組合が皆伐地帯・周辺地域でどのような森林管理をやっているのか,に
ついて現場を案内していただく機会でした.

 

 

 

最近は効率をあげるため,昔ながらのやり方ではなく根こそぎ木を切り倒し,
いわゆる『禿山』状態になっている場所が多いと聞きます.


生態学的には,そのまま放置してもいずれは野となり山となると思うのですが,
人間と自然が共生する限り,経済的な面で,中々難しい部分もあるのでしょうが,
きちんとした手入れというか,管理すべき部分も必要だと,個人的に思います.


今回見学させていただいた山では,林道を2種類の方法で整備し,伐採された
跡地には,ちきんと植林もするということでした.(写真1.2を参照)

林道No.2 林道No.2

 


話は変わって,調査で山のほうにも行きますが,個人的に
『自然って,すごい』と感じています.


というのも,たまに自然にいたずらされるけど,神秘的であるし,現在のように科学が
発達していなかった時代,日本人は自然とうまく共生し,自然に対し,尊敬の念を持って
接していた気がしますが,全体的に,現在はそうでもないのかな,という気がしてます.


中々自然の中で遊ぶ機会はないし,自然の楽しさや優しさ,厳しさに接する機会が以前に
比べて少なくなった気がします.

 


『山』について勉強し実践している大人は,自分の周りに何人もいまが,しかし,大人だけで
なく子供にも『自然』に接し,体験する機会をつくれればいいな,と,個人的に思ってます.